Nexus7 (2013)のバッテリー交換

Written by Y.Sakakibara

(2020年2月10日 初版公開)

 この記事は、2020年2月にタブレットPC端末、Nexus 7 (2013)のバッテリーを交換したとき、その 手順等を記録し、備忘録としてまとめたものである。

1.交換の準備

 2015年10月に購入した、「Nexus 7 (2013) Model:K008, ME571-16G」のバッテリーが原因と 思われる、次の現象が頻繁に起こるようになる。
ー100%充電しても、1、2日置くと電源オフの状態となり、電源オンができない。
 充電し直して、電源オンにするとAndoroidが起動する。
ーNexus7の手帳型ケースカバー(マグネット入り)の開閉による休止と解除ができない。
 正常時、カバーを閉じるとNexus7の電源が 休止になり、カバーを開けると、休止解除となるのだが、カバーを閉めると、電源オフの 状態になり、電源スイッチでオンにしないと休止解除にならない。
ー休止状態に入っているのか、電源スイッチをオンにしても、起動しないことがあった。
 電源スイッチを30secほど長押ししても、なかなか、起動しない。しばらく、充電しておいたら 起動できる。

 Amazonで購入した当時の、外箱ラベルを写真1に示す。Amazonで、ASUS純正のバッテリーは 既に品がない。あっても中古品のようだ。
 写真中の赤字は、筆者が加えたコメント等を示す。以下略。

写真1:2015年にAmazonで購入した、Nexus 7の外箱 (クリック:拡大)

 Amazonで、Nexus 7用の互換バッテリーを探した。ほかにもあったけど、評価の良かった つぎの品物を発注した。
 「MUKUZI バッテリー ASUS Google Nexus 7(2013) K007 K008 K009 ME571 互換 バッテリー C11P1303 電池 3.8V 3910mAh」
 2020年2月3日時点で、価格は2860円だった。

 数日のうちに配送され、そのときの外箱を写真2左、同じく内容物を写真2右に示す。バッテリーのほかに、 道具類が付属していた。水色三角形のは、プラでできたスティックで、隙間に差し込んで こじ開けるときのツール。長い水色のプラ棒は、先端が鈎状になっていて、これも隙間に鈎を 入れてテコのように引き起こすツール。
 右端のピンクの薄いプラ板2枚の用途・使い方は不明。裏側に粘着剤が塗布してある。ほかに ピンセット、吸盤が同梱されていた。

写真2:Nexus 7用互換バッテリーの内容物 (クリック:拡大)

 以上の部品、工具がそろったところで、バッテリー交換作業を実施した。

【特記事項】
 取り扱い対象が電気電子部品であり、配線や端子、基板の導線が剥き出しになっていることから、金属製 のドライバなどでショートさせないように注意されたい。電気が流れていそうな箇所はくれぐれも 非導電性のプラスティック素材で触るように。
 それと、以下の交換作業はわたしの場合・ケースであって、各自の責任において実施されたい。

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2.交換作業

 2月5日午前中に、交換作業を実施した。実際の交換は、9:00頃に開始し、11:00頃に終了した。 途中、デジイチのカメラでレンズを交換しながら、経過を都度撮影していた。

 交換作業に当たり、ネットで経験者のブログなどを探した。特に参考になったサイトは、ここ↓。
  Nexus7 2013のバッテリーを交換してみた 2016年9月27日の記事?
 作業途中の要点を、別サイトのYouTube動画を参照したりしていて、よくまとまっている。それと、コメント にほかの人の失敗談なども多い。
 実際の交換作業は、自宅PCの前で、このサイトを見ながら作業を進めた。

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2.1 分解作業

 Nexus7本体の裏蓋を外すことから作業はスタートした。裏蓋外しが、以下一連の作業の中で もっとも難しい作業だった。
 というのは、プラ製スティックを差し込めるだけの隙間が全然なく、先端が細い、金属製の マイナスドライバで無理やり隙間に差し込もうとしたこともある。そのためプラスチック(軟質PPか?) の裏蓋が少し傷ついたこともある(後出の写真22参照)。
 ああでもない、こうでもないと、悪戦苦闘していたら、ようやくのことプラ製スティックを 一か所差し込むことができた。

 要は、長方形のNexus本体の、電源ボタンのない方の長辺の、真ん中付近が一番たわみやすい。 30pのプラ製定規の両端をもって、中央部を曲げるように、Nexus本体をたわませる。ディスプレー ガラスがあって、それほどたわまないけれど、少しはたわむようだ。
 この少しの隙間にマイナスドライバ先端を挿入し、少し広げ、次いでプラ板を挿入 させる。写真3。これが成功すれば、あとは簡単。
 プラ製スティックを挿入したまま、長辺に沿って左右に移動させ、隙間を広げる。長方形の 4隅の頂点部に、裏蓋を固定するノッチがあるようで、ここも慎重にプラ板で外す。残り3辺も 順繰りに外していく。

写真3:ケースを開けたるのに、ひと苦労。 (クリック:拡大)

 外した裏蓋と、ディスプレイ側(本体側)の内部を写真4に示す。

写真4:ケースを開けたところ。右が裏蓋。左がディスプレイ側。 (クリック:拡大)

 本体側を拡大したものを写真5に示す。バッテリーは緑色の枠のほぼ正方形をしている。 バッテリーの上を、銀のフラットケーブル、茶のフラットケーブルが走っている。バッテリー の電源端子は右上にある。
 各ケーブル2本は、端子から脱着防止のため、粘着テープで固定されている。
 バッテリーを固定しているビスは、4か所。写真5の黄色丸で示す。

写真5:バッテリーの上にフラットケーブル2本 (クリック:拡大)

 茶ケーブルを固定する、銀色粘着テープを慎重に剥がす。テープは後で再利用するので、 端に留めておく。
 ケーブル端子は、オスメス型のスナップボタン形式の端子で、写真6の銀色の板の端を、 テコの原理でプラドライバで引き起こすと外れる。
 一方、銀ケーブルの端子は、フラットケーブルを端子に差し込み、レバーを倒すことで接続 固定するタイプ。写真6はレバーが倒れていて、銀ケーブルは固定された状態にある。

写真6:茶ケーブルの末端端子の銀色粘着テープを剥がす (クリック:拡大)

 銀ケーブルの末端にも、透明粘着テープでケーブルが抜けないよう処置されている。透明粘着 テープも慎重に剥がす。これも再利用するので、適当な場所に張り付けておく。

写真7:銀ケーブル端子の透明粘着テープを剥がす (クリック:拡大)

 銀ケーブルの端子についている、黒い細長いレバーをプラ板で引き起こす。

写真8:銀ケーブル端子の、黒レバーを引き起こす (クリック:拡大)

 銀ケーブルを横方向(写真9では上方向)に引き抜き、外す。

写真9:銀ケーブルを横に引き抜く (クリック:拡大)

 最後に、バッテリーから本体基盤につながる電源ケーブルの端子を、端子の端をテコで 上に引き上げ、外す。

写真10:バッテリーの電源端子を外す (クリック:拡大)

 バッテリーを本体に固定する、4本のビスを精密ドライバで外す。
 これで、バッテリー部分を本体から取り外すことができる。

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2.2 バッテリー交換作業

 取り外したバッテリーの表側、裏側を写真11に示す。バッテリーは薄いアルミ枠に収納されて いて、バッテリー交換はアルミ枠を外す必要がある。アルミ枠も再利用するので、変形させない よう注意が必要。
 アルミ枠に、黒いフィルムが貼られていて、アルミ枠を外すときに邪魔になるが、破らない ようアルミ枠を外す。アルミ枠を外すときの様子を、上に紹介したサイトにYouTube動画が掲載 されていて、参考になる。

写真11:(左)古い純正のバッテリー表側 (右)裏側 (クリック:拡大)

 取り外したアルミ枠と古いバッテリーの表と裏。黒フィルムはアルミ枠に粘着剤で貼りつけ られているだけ。

写真12:純正バッテリー(右)とアルミ枠(左)の表裏 (クリック:拡大)

 取り外したバッテリー(緑)と新品のバッテリー(黄)。

写真13:左が新品(黄)、右が古い純正バッテリー(緑) (クリック:拡大)

 新品のバッテリーを、元のようにアルミ枠に収納。

写真14:新品をアルミ枠に収納 (クリック:拡大)

 あとは、元のように逆順に組み立てるだけとなる。

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2.3 組立作業

 アルミ枠に入れたバッテリーを、本体に取り付けるのだが、バッテリーから伸びる導線が やや長いので、ビス固定する前に、導線の端子を電源コネクタに先に繋げる。
 端子を上から押さえつけることで接続できる。このとき、プラ棒を使うこと。新品バッテリーには 電気が残っている可能性があり、金属ドライバだと、間違ってショートすることあり。
 端子に接続後、バッテリーを本体の所定位置に置く。やや長めの導線部分が上に突き出るので、 横に指で曲げる。

写真15:バッテリーを元の位置に収納し、電源ケーブルを接続 (クリック:拡大)

 その後、4か所をビス止めし、バッテリーを固定する。

写真16:アルミケースをビスで固定 (クリック:拡大)

 茶ケーブルの先端のオス端子。

写真17:茶ケーブル末端のオス型端子 (クリック:拡大)

 本体のメス部分に押さえつけて、嵌め込み、接続する。カチッという感触あり。

写真18:メス型端子に嵌め込む (クリック:拡大)

 銀色粘着テープを元の通り、貼る。端子の浮き上がり防止用のようだ。

写真19:銀色粘着テープを元のように張り付け、固定する (クリック:拡大)

 銀ケーブルも、端子横から奥まで挿入し、黒レバーを倒し、接続・固定する。銀テープを きっちり奥まで入れること。なかなか奥まで入れられなかったが、数度繰り返した。
 銀ケーブルを固定した後、透明粘着テープを端子に貼る。これも浮き上がり防止用か。

写真20:銀ケーブル末端を端子に挿入し、レバーを倒して固定(左)
透明粘着テープを元の位置に張り付ける(右) (クリック:拡大)

 以上で電気系統の接続が完了したことになる。

写真21:配線を元通りに戻し、内部の組立完了 (クリック:拡大)

 最後に、裏蓋を本体に取り付ける。写真22。裏蓋をこじ開けるとき、金属製ドライバを 使ったことで、小さい傷ができてしまった。

写真22:裏蓋を嵌める。こじ開けるときできた傷。 (クリック:拡大)

 裏蓋を本体に取り付けるとき、プラスチックのノッチがパチッと閉まる音がする。これで 組立完了。

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2.4 再起動

 組み立て完了後の、本体裏側と、古い純正バッテリー。

写真23:組立完了後の本体裏側と、古い純正バッテリー (クリック:拡大)

 作業に使った道具類。右端の金属マイナスドライバ以外は、すべてバッテリー購入したときの 付属品。残りドライバ2本、吸盤ほかは使わなかった。

写真24:実際に使用したツール類。右端が精密マイナスドライバ (クリック:拡大)

 電源ボタンを押して、電源オンにする。"Google"、"Android"の表示に続いて、普段の スタート画面になった。

写真25:組立直後に電源オン。起動できたのを確認 (クリック:拡大)

 バッテリー交換直後には、バッテリー内にまだ50%ほどの電気残量があって、しばらくは 充電せずに利用できた。

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3.まとめ

 バッテリー交換して、5日ほど経過したが、まったく新品同様の挙動を示している。ケースの開閉 で、マグネットに反応して、休止と解除が以前と同じようにできる。また、フル充電も100%まででき、 その後の減少速度も、新品のときと同じように1週間ほどもつようになった。
 これで、Nexus7(2013)が復活したと思う。ASUS純正バッテリーの寿命は4年半ほどということか。

 タブレットPC端末は、ノートPCに比べ、携帯性が抜群に良いのと、電池・電源の心配がそれほど 必要ないのと、インターネットに簡単に接続できるのが優れている。
 新しくタブレットPCを買わずに済んだことがありがたく、嬉しい。
 以上

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